病気になったメダカを助ける事ができず、日々無力さを感じますが、早期発見・早期治療がすべてですので、ここに代表的な病気と治療方法を紹介します。
尾ぐされ病
病気皮膚粘膜が弱くなるとカルムナリスという細菌に感染して起こる病気になります。
症状
・尾ひれの末端部(先端部)が壊死する。
・だんだん尾ひれが短くなる。
・尾ひれが十分に短くなると、泳ぎ方が変わるのですぐに識別できるが、そうなったらかなり末期。
・症状が進むと、壊死部分は尾ひれ付け根筋肉まで達するが、こうなるとまず助からない。
治療方法
・メチレン入りの0.3~1%塩化ナトリウム水溶液で沐浴する。
・ニューグリーンF、グリーンFゴールドを使って薬浴させるのも効果的であるが、両薬を併用してはならない。
・発症したら基本的に該当個体に対しては劇的な対処策はない。
・沐浴するも助けられた例はないが(メダカの場合)、同水槽内の個体に対し感染を防ぐ意味で消毒、隔離が必須。
・感染力が強いので、1尾発症したら、その水槽の魚体全てを処置する必要がある。
・まずは急いで水換えする。感染した個体を、できるだけ早期に発見することが肝要。
予防方法
水質悪化を防ぐとしか言いようがありません。尾ぐされ病が発生するということは、かなりの水質悪化になっていることが予想されるので、日ごろの世話ができてない証拠です。
松かさ病
エロモナス菌の感染で、体調を崩した個体がかかりやすい。
症状
・メダカの鱗が立って、ささくれ立った状態が、あたかも松毬(まつかさ)のように見えることが名の由来。
・鱗が立つので、体表が透明に浮きだった感じになり、いつもよりも一回り大きくなるのでそれとわかる。
・ただし、そこまでなったら、まず治療の甲斐はない。
・はじめは体表の一部の鱗が立つ。
・その程度であれば、治療すれば治る可能性はある。
・基本的には、魚体の体調が悪いことが発症の主因であるので、その原因(水質が悪い、怪我をしている、他の個体に攻撃されている、餌が少ないなど)を除外しなければほぼ必ず再発する。
治療方法
・メチレン入りの0.3~1%塩化ナトリウム水溶液で沐浴する。
・ニューグリーンF、グリーンFゴールドを使って薬浴させるのも効果的であるが、
両薬を併用してはならない。
・発症したら、メダカの場合治癒はかなり難しい。
・感染力は高くないが、1尾が発症したら隔離し、沐浴させる。
・また、その水槽の環境改善を図る。
・発症個体が死亡した後も放置していると、他の元気な個体も発症する傾向にあるので、メダカの遺体を放置しないことが大事。
白点病
白点病は、白点虫と呼ばれる原生動物がメダカの体に寄生する病気です。自然界にも普通に存在する白点虫ですが、水質の悪化などにより勢力を強めます。
症状
・1mm程度の白い点々が体表に現れる。
・放置すると全身に広がり、白点で覆われることになる。
治療方法
・トリコジナのように体表にくっついているのではなく、表皮にもぐりこんでしまうので、薬浴も速攻の効果はない。
・0.3~1%塩化ナトリウムとニューグリーンFとの薬浴を1週間以上行う。
・30℃程度の高温での薬浴が効果的。
・『鷹の爪』を輪切りにしてネットに入れ、10リットルあたり1本入れるだけで、治療することもできます。
予防方法
季節の変わり目や水質が悪化しているときに感染します。1匹が感染すると他のメダカにもうつるので、日ごろから観察するようにして感染したメダカを見つけたら他の容器などに隔離しましょう。
水カビ病(わたかむり病)
水カビ病は、水性菌というカビの仲間により引き起こされる病気です。この水性菌も自然界に存在していて、メダカが弱ったり傷ついたりすると発生します。基本的に健康なメダカにうつることはありません。
症状
・表皮に水カビが付着し細胞を破壊する。
・傷口を広げながら進行し、白い綿が付着しているように見える。
・更に進行すると、感染症を併発することがある。
治療方法
・感染する恐れがあるため、まず隔離し、沐浴させる。
・他の感染症を患っていないか、確認の必要がある。
・メチレンブルー、グリーンF等による薬浴または0.3~1%程度の塩浴を行う。
・水温は高め(27~29℃)で安定させる。
・治療には時間がかかる場合があるため、1週間程度で水換えし、再度薬浴、塩浴する。
・『鷹の爪』を輪切りにしてネットに入れ、10リットルあたり1本入れるだけで、治療することもできます。
予防方法
メダカの体に傷がついたり弱っているときに発生する病気ですので、網で追いかけ回したり、過密飼育にせず泳ぐスペースを確保してあげましょう。
転覆病
詳しくは不明だが、浮き袋にガスを送り込む腺が異常動作し、必要以上にガスを入れて浮き袋を膨らませる。ダルマメダカ特有の遺伝子病の可能性もあります。
症状
・腹部が異常に膨らみ、お腹を上にしひっくり返る。
・ダルマメダカに多く見られる。
治療方法
・一度なると元には戻らない可能性があります。
・エサを食べるときに元に戻れる個体は、そのまま生きる可能性があるが、他のメダカに邪魔されやすいので、隔離してあげる方がいい。
過抱卵病
オスがいない、または相性の良いオスが少ない場合に起こり、オスとのペアリングが出来ない状況だと、産卵されなかった卵がお腹の中に滞留するため。
※内臓系の疾患(胆管閉鎖、腎嚢胞症、肝臓がん)の可能性もある。
症状
・ダルマメダカのように、メスの腹部が異常に膨れる。(ダルマメダカと見間違いに注意)
治療方法
・初期の頃であれば、相性の良いオスを入れることで回復する。
・数日この状態で放置すると手遅れとなる。
・常温飼育下では特に春、暖かくなり始めの頃に要注意。
まとめ
日頃からメダカの様子をよく見ていると、元気がないメダカや痩せてきているメダカを早いうちに発見できます。
早期治療でないと、助からない病気が殆どですのでよく観察するのと、飼育環境の悪化しないようにしてあげましょう。